電光らんちうキック

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AV女優・豪島セーラという武道家

グラップラー刃牙』の空手家・愚地独歩、曰く。
手に何も持たぬことを旨とする道が空手である、と。
戈を止めると書いて武である、と。

断言しよう。ならば、豪島セーラの生き様は紛う事なき「武」である、と!

彼女は武器を持たないどころではない。一糸まとわぬ姿こそが彼女の正装である。
彼女、豪島セーラはAV女優である。
『はぐれアイドル地獄変 外伝 プリンセス・セーラ』(既刊1巻)は「性」で戦い、「性」を追求する女の物語なのだ!

 

……さて、タイトルに「外伝」とある通り、この作品は同作者の『はぐれアイドル地獄変のスピンオフ作品です。 

はぐれアイドル地獄変 1

はぐれアイドル地獄変 1

 

 本編『はぐれアイドル地獄変の主人公・南風原海空(はえはるみそら)が「高身長、筋肉質、褐色、金髪、処女」であるのに対し、「小柄、スレンダー、色白、黒髪、AV女優」と真逆の存在が豪島セーラ。

 

本編の主人子の海空が「空手」を武器にアイドル業界の困難を乗り切るのと同様、セーラも「性」を武器に戦い続けてきました。

母親の再婚相手からの性的虐待に対抗するため「性」を使って力を得たのを皮切りに、暴走族、レズビアンの先輩など、幾多の困難を「性」で乗り切ってきたことが(真偽のほどは定かでないが)本編で語られています。

 

小島聡子(セーラの本名)にとって障害を乗り越えるための武器だった「性」。

しかし、性の犠牲者である小島聡子からAV女優・豪島セーラに転身した時、彼女の武器であった「性」は追求すべき「道」となったのです。

樹海に足を踏み入れた自殺志願者、性行も困難な世界一の巨根、体重160kgの元・女性アイドル……性別、国籍、体型の区別無く性に立ち向かい、技を磨き、理解しあう。
そう。この漫画はAV女優が主人公だけれども、間違いなく武道漫画なのです。

 

拳を肉体に叩き込み破壊するのではなく、巨根を受けとめ、巨体を愛し、全てを受け入れる。『はぐれアイドル地獄変 外伝 プリンセス・セーラ』は世界で一番優しい「武」の漫画なのです。


本編を読まなくても問題なく読めるタイプのスピンオフですので(むしろ逆に、本編に突然スピンオフ側のキャラが出てる)、一風変わった格闘漫画を求める方にオススメです。

 

 

 

 

 

全くの余談ですが、冒頭で紹介した「武」って漢字の成り立ち。

「矛を止める」んじゃなくて「矛を持って戦いに行く姿(「止」は矛を持ってる人の足)」が正しいらしいですね。

豪島セーラも常に新たな戦いの場を求めているので、本来の成り立ちの方が彼女らしくもあります。