球場飯でレッツプレイスリー!(三食 食おうぜ)
魔球・エリプスハンターを引っさげて21世紀に爆誕した野球漫画『ワイルドリーガー』。
料理を「竣工」と呼称する熱い土木工事系料理漫画『ドカコック』。
これらの代表作を持つ渡辺保裕さんの新作が球場飯漫画『球場三食(さじき)』(『アフタヌーン』連載)なのです。
この作品の魅力は、「食と野球と球場の話題のバランスの良さ」にあります。
主人公は、球場開門前から現地入りして試合前練習を観て「野球観戦日の食事は3食すべて球場内で食べる」という規則を自らに課す青年。
彼の食事のシーンは小さいコマが1~3コマのあっさり仕立て。解説は最小限で、くどいリアクションも無い『孤独のグルメ』スタイル。
食事漫画ではあるけれど、食事はあくまで野球観戦ありきの副産物であるためこれがベストのバランスであると言えるでしょう。
そして食事シーンのあっさり感とは対照的に、野球観戦や球場そのものに関する話題は多め。多めではあるが、野球が特に好きというわけでもない自分が面白く読めてるのでクドさはありません。
また、元々ガッツリ野球漫画を描いてた漫画家さんなので途中にはさまる野球のシーンや球場の描写がしっかりしていて臨場感にあふれ、球場の雰囲気を十二分に堪能できる。話題のチョイスも、第1話で最もスポットがあたった話題が「責任審判」というのが野球漫画ではなく「野球観戦漫画」なのだという雰囲気が強く出ていて実に良いのです。
第1話は「明治神宮球場」、第2話は「西武プリンスドーム」と来て、次回予告では広島市からお届けと書いてあるから「MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島」と各地の球場を紹介していくのでしょう。読むと現地に行きたくなる漫画なのでこれは次回読んだら広島行っちゃうなぁ。
……ところで、第1話に出てきた野球観戦好き女子のつばみちゃん。
野球観戦に真摯な態度で向き合ってメガネ+フードという実にヒロイン力の高い娘さん……
なのに、何故本気を出した途端にメガネもフードもキャストオフしちゃいますかね!
いや、それでも、ビールおごってもらって「かたじけない」って言う仕草とか、ビールの飲みっぷりとか可愛いんだけど!
2話では姿を見せなかったけど、また出てこないかな。今度はメガネをかけたままで!